大企業からスタートアップに転職したアラサー女子・すずらんです。
夏にスタートアッップへの転職が決まり、11月に退職。
12月から転職先でのお仕事が始まりました!
転職して早2ヶ月・・・「スタートアップ企業で働くって、ぶっちゃどうなの?」と
疑問をお持ちの皆さまに、働いてみた感想や大企業との違いを解説していきます!
そもそもスタートアップって?
「スタートアップ」と「ベンチャー」
よく耳にするし、世間に浸透しているけれど、その違いを理解している方は少ないのではないでしょうか?
お恥ずかしい話ですが、実は私もよくわからないまま転職活動をしていました。
いろいろな観点で違いはありますが、端的にまとめるとこんな感じです。
【スタートアップ】
革新的なアイデアでこれまでになかった新しいサービスを作り出す企業。
【ベンチャー】
既存のビジネスモデルをベースとし、そこに独自の変化や工夫を加えて新たなサービスを生み出す企業。
とはいえ、この辺かなり曖昧だと思います。
上の定義からすると、私が勤める会社はベンチャーなのでは?と思いますが・・・(笑)
忖度なし!大企業との違いを比較
あくまで私の勤める(&勤めていた)企業の話ですが、
5つの視点から、大企業とスタートアップ企業の違いを比較してみました。
大企業 | スタートアップ企業 | |
ビジネスマナー | 研修重視。 基礎固めしてから実践 | 実践あるのみ。 非常識のまま年数が経つことも |
会社のルール | すでに確立されていて煩雑 | 構築段階なので、ぐちゃぐちゃ |
仕事の進め方 | トップダウン | 基本はボトムアップだが、 社長の権限も大きい |
評価や昇進スピード | 相対評価。 年次を基準として昇進が決定 されるため、スピードが遅い | 絶対評価。 成果主義なので、できる人は 昇進スピードも早い |
目標設定 | 組織の目標を個人に落とし込む | 個人にフォーカスした 高い目標設定が可能 |
給料 | 額面は低いが、段階的に増える傾向。 相当なことがなければボーナスあり | 額面は高めだが、増えていかない。 ボーナスがない。 |
大企業とスタートアップ、それぞれ一長一短あります。
隣の芝生はなんちゃらです。
ビジネスマナー
大企業は、年次毎に研修が用意されていて、名刺交換や電話対応のマナーを教えてくれます。
一方スタートアップは、研修なしで突然業務に放り出されることが多い印象です。
新入社員時代は、「こんな研修必要ある?実践で勉強すればよくない?」と思いがちです。確かに、実践により体得することは、研修で学ぶことよりも重要で、はるかに量も多いです。
それでもやはり、「研修って大切だったんだな〜」とつくづく思います。
研修を受けることで、「そんなの当たり前じゃん」という感覚が身に付くからです。
例えば、名刺交換してすぐに相手の名刺をしまわないとか、座っている順に名刺を並べるとか、以前交換した相手とは名刺交換しないとか・・・
こういうことって、知らないまま過ぎていくと、一生気づかなかったりします。
よく、基礎問題ができないのに応用問題を解こうとする人がいますが(私もそのタイプ)、応用の意味は「原理や知識を実際の事柄に当てはめて用いること」なので、そもそも知識がないとできないことなんですね。
やはりビジネスマナーは、相手がどれだけしっかりしている人なのかを判断する基準になるので、軽んじるのはNGです。
会社のルール
大企業は、就業規則や社員としてのルール、そして業務の進め方がある程度体系化しており、煩雑なのが特徴です。
一方スタートアップは、交通整備途中でルールがぐちゃぐちゃな企業も多いと思います。
みんな手探りで、運営していきながら柔軟にルールを変えていくことが必要です。
通常業務に追われて、「社内の環境を整える」ことを後回しにしてはいけません。誰かが「良い環境」を整えてくれるだろうと甘えずに、社員それぞれが、自ら勝ち取りにいくものです。
仕事の進め方
大企業は言うまでもなくトップダウン型です。
鶴の一声で状況が変わることもしばしばです。
一方、スタートアップでは裁量大きく働くことができます。「どれだけ自分の意見を持っているか、そしてそれをどれだけ説得力を持って伝えることができるか」が、とても大切です。
ただし、同時に社長の権限が大きいことも忘れてはいけません。
ここから先のラインは社長判断というラインが必ずあるので、すべて自分で判断すると大変なことになります(笑)
自分の会社ではないので、当たり前と言ったら当たり前ですが、スタートアップへの期待値が大きいと、結構ギャップを感じると思います。
ラインを確かめつつ、しっかり自分の考えを持っている子だと評価してもらうためには、以下のような聞き方をしましょう。
「私はこう思う/こうしたい。それはこういう理由。だからこうしてもいいですか?」
「〜してもいいですか?」「〜はどうすればいいですか?」という質問は、確実に嫌がられるので要注意です。
評価や昇進スピード
言わずもがな、スタートアップでは「できる人は入社時期関係なく、どんどん仕事を任され昇進」します。
そのため、プレッシャーも非常に重いです。周りに取り残される焦りも感じます。
ただし、相対評価ではなく絶対評価であることが多いと思うので、「自分に足りない部分を認知し、どうしたらその穴を埋められるかを考える」ことが大切です。
PDCAを回して、求められる役割に一歩ずつ近づいていきましょう。
P:「どういう役職につきたいのか、どういう役割を果たしたいのか」目標を明確にする
D:目標を達成するための行動を起こす
C:第三者に評価してもらい、自己評価と乖離がないか確認し、長所と短所を認識する
A:短所を意識し、改善する行動を起こす
目標設定
評価・昇進スピードに通じる目標設定ですが、
スピードアップでは入社年次や経験年数に関係なく、能力があり、やる気があれば高い目標設定が可能です。
ただし、短期間で成果を出す必要もあるため、プレッシャーも重いです。
企業にもよるかと思いますが、私が勤めていた大企業は、「組織の目標→部署の目標→個人の目標」というトップダウン形式の目標設定が行われていました。
なので、私個人が「マネジメント職に就く」ことを目標としていても、それを掲げることができませんでした。
もちろん5年、10年という長いスパンで「ゆくゆくは」という話しはしていましたが、私が考えるスピードと乖離がありました。
給料
大企業では、相当なことがない限り、安定した基本給+ボーナスが支給されます。
私のように一般職として働いている方の中には、基本給の安さにお悩みの方も多くいらっしゃるかと思います。
そういった方は「ボーナス沼」にハマる可能性が高いので注意です!
ボーナスで一気に口座が潤うと、基本給への不満が吹っ飛び、なかなかその環境から抜け出せなくなります・・・
ただ、「スタートアップに転職すれば年収増える!」というのは幻想です。
転職による年収アップは、3つの条件が揃ってこそ達成されると思っています。
1、同じ業界、同じ職種への転職で金額交渉が可能
私のように、「未経験職種」で転職すると、年収は落ちます。
2、込み残ではない
基本給が少し高めの企業は大体込み残です。
例えば「45時間分」の込み残で、40時間残業してもお給料に変化がないのはつらいですよね。
込み残の場合は、平均残業時間をしっかり把握しておいたほうがいいでしょう。
3、利益を出しているスタートアップ(=ボーナス支給がある)
まだ売上が安定していない、サービス開発に費用がかかる駆け出し企業は、当然ながら年収アップは見込めません。ボーナスなしは当たり前ですし、福利厚生も最低限です。
年収にフォーカスするなら、スタートアップよりもベンチャーへの転職をおすすめします。
ぶっちゃけスタートアップへの転職はどう?
結論から言うと、「転職してよかった」です。
- 自分の考えを臆せずに発言できる環境
- 組織を一緒につくっていける感覚
- どんどん成長して次のステップに移ることがきる
私の性格上、この3つが実現できる環境のほうがやる気が出るので、大企業で働いていたときよりも充実した毎日を送ることができています。
ただし、「大企業だからダメ」「スタートアップだからいい」ということではありません。
あくまで私の性格的に、スタートアップ、もっと言うと「今の会社が合っていた」ということです。
大企業には大企業なりのいいところがあります。
最近は大企業離れが進んでいますが、離れてみて初めて気づくいい部分もたくさんあるんですよね。
「あ〜、守られていたんだな」とか、「社会人としてのルールを学ばせてもらったな」とか、「どこの城を落とすべきか」とか(笑)
なので、新卒にしても転職にしても、「大企業」「スタートアップ」「ベンチャー」という括りで判断するのではなく、「その企業で、自分の理想とする働き方ができるか」という主軸をぶらすさずにいて欲しいと心から思います。
私もそうですが、なんとなく転職活動をしているときは有名な企業や、雰囲気で企業選びをしてしまいますが、それって絶対失敗します。
私は、「今の会社が嫌だ」というネガティブな理由で転職することを否定しません。
ほとんどの場合、不満がなければ転職しようと思わないですから。
ただ、「何が嫌なのか」をはっきりさせないと、どの会社でも同じ状況に陥ってしまいます。
合わせて、転職活動の目的(「年収アップ」や「マネジメント職に早く就きたい」など)を明確にして、企業選びをすれば、きっと素敵な企業に出会えるはずです。
それが、結果的に大企業だった、スタートアップだったというのが理想の状況かな、と思います。
まとめ
ポイント
- 大企業、スタートアップ、ベンチャーそれぞれ良さがある。それぞれの長所、短所を理解する
- 大企業、スタートアップという枠組みを基準に、企業選択の範囲を狭めない
- 転職理由と目的をはっきりさせ、企業選びをする